試験・入試・資格試験を受けるにあたって、たくさん覚えたり、できるようになったりしなければならないことってたくさんありますよね。
ただ、時間は有限です。
試験においての目標は、目標点・合格点に達することです。
効率よく目標に達するために、勉強する内容も絞ることが大切です。
内容を絞ったら、解けない問題がでてきた時はどうするの?と思う方もいるかもしれません。
今日は、「試験のヤマのはり方」を紹介します。
ヤマの張り方1 「覚えるべき情報」を見つけよう
合格するには、「覚えなければならない知識」を覚えましょう。
何を当然なことを言っていると思うかもしれません。
じゃぁ皆さんの持っている参考書や教科書を開いてください。
どこが「覚えなければいけない所」かわかりますか?
太字や赤字になっているところをマーカーでひいて満足なんてことになっていませんか?
そこで、一度覚える所と覚えなくてもいい所を整理してみようと思います。
試験に合格することを目的とした場合、勉強する情報は次のようにランク分けできます。
- 前提ランク:出題されないが、解答するために必要な知識
- 初級ランク:ほとんどの受験生が答えられる知識
- 中級ランク:合格レベルの受験生がきちんと回答できる知識
- 上級ランク:ごくごく限られた受験生だけが回答できる知識
- 教養ランク:出題されない知識
高校入試レベルの数学の問題(文字式の単元)で説明をしてみます。
前提ランク:これがわからなければ、戦えない。基本の基本知識を指します。
文字式で$3×a$を$3a$と表すこと。小学校で勉強するたし算、ひき算の知識(分数・小数などを含む)などが前提ランクになります。
初級ランク:教科書の基礎問題レベル。試験には直接は出題されないけれど、みんなが答えられる中で、間違えたら、致命的な問題。
例:次の計算をしなさい。
$$3a+4a$$
中級ランク:合否を分ける問題。ここである程度解けると、合格が見えてくる問題。
例:次の計算をしなさい。
$$2/3 a ÷ 4/3 a^2$$
上級ランク:マニアックな情報や難しい情報であり、はっきり言って合否にはさほど影響しない問題。
出題されたら解けたらラッキーくらい。よく私立高校入試でこんな問題出してきます。
まだこれくらいなら解きたいですが、もう少しこねくり回されると、流石にきっちり解くことは難しくなってきます。
教養ランク:試験に出ない知識。何事も勉強するほど面白くなり、細かな知識まで勉強したくなりますが、絶対出ないので、覚えなくていいのです。
例えば、フェルマーの最終定理
$$x^n+y^n=z^n$$
$$nが3以上の場合、この式を満たすx,y,zの組は存在しない$$
中学生でも定理の意味は理解できると思いますが、高校入試では絶対に入りませんよね。
覚える知識を絞る方法
では、「覚える情報」と「覚えない情報」はどのように絞っていけばばいいのでしょうか。
明確に分ける簡単な方法があります。
準備するものは3つです。
- 基礎を学ぶ教材(教科書・資格試験のテキスト)
- 自分で購入した(単元に特化した)学習参考書や、資格試験参考書
- 学校で使っている問題集
例えば、数学I・Aで考えてみましょう。
この場合、基礎を学ぶ教材として学校で使っている「数学I・A」の教科書。
自分で購入した「数学I・A」の参考書(チャート式とか)。
そして、学校で使っている問題集を用意します。
3つの本は、自分の手元にあるものでOKです。わざわざ購入する必要はありません。
3つのいずれかでできるようになりたい、覚えたい情報を見つけたら、他の2つの本にも書いてあるかをチェックします。
3つに書いてある→試験に出る。必ず習得しなければならない(前提・初級ランク)
2つに書いてある→試験に出る可能性がある。覚えなければならない(中級ランク)
1つに書いてある→試験にまず出ない(上級・教養ランク)
社会や国語だったら「織田信長」のような用語でしょうし、数学だったら「その知識を使う問題、似た解法を使う問題」ができるしなければならない・覚えたい知識になります。
ヤマの張り方2 過去問から覚える情報を見つけよう
さらに、覚える知識を絞っていく方法を考えていきます。
普通に勉強していたら、「教科書を読む」→「例題を解く」→「問題集を解く」の順番だと思います。
でも、よく考えてみてください。この流れは、学校の授業でやっていますよね?
だから、入試勉強する時も、同じ手順を踏んでいたら馬鹿らしいです。
これは、資格試験も同様です。とりあえず「参考テキストを通読」してから、問題集をやっていませんか?
教科書や参考書は重要語句の他にたくさんの周辺情報が書かれています。
問題にならないような無駄な情報も多いのです。だから覚える情報を絞りきれなくなってしまいます。
そこで、「問題集を先に解く」→「テキストを読む」流れをお勧めします。
「問題になる」ということは、「問題にする価値のある知識」であり、出題者が「これくらいは解けてね」と我々に投げかけているのです。
そこで、先ほどの3つの本に足して、赤本(東京大学 過去問20年)のような過去問を用意します。
過去問に出るということは、「この試験をパスしたいならこれくらいは解けてよね」という出題者の意図が隠されているのです。
解けなかったら、そこをできるように集中して勉強しなおせばいいのです。
もちろん、入試の中でも、上級・教養ランクの問題が潜んでいます。
そこで、「教科書+参考書+問題集+過去問」の4つを読み比べます。
過去問+3つに書いてある:前提・初級ランク
過去問+2つに書いてある:中級ランク
過去問+1つに書いてある:上級・教養ランク
このように覚えることを絞ることができるのです。
ヤマの張り方3 模試を使って必要な情報を見つけよう
最後に、模試を使った絞り方をお伝えします。
入試の模試、教員採用試験の模試など、いろいろな模試があります。
合格判定を見てAランクだったり、Eランクだったりで一喜一憂する人も多いですが、大事なのはそこではないと考えています。
大事なのは、各問題の正答率です。
合格判定がAランクでも正答率の高い問題を落としてはいませんか?
そうだったら、今回は運良く他の問題が解けたけれど、入試で必要な大事な知識が抜け落ちてるかもしれません。
次のように正答率を分別して、自分のに必要な知識をさらに効率的に習得していきましょう。
正答率が70%以上:合格レベルの受験生みんなができる問題(初級ランク)
絶対に落としてはいけない問題
正答率が30%〜70%未満:ここで得点できるかが合否を決める問題(中級ランク)
正答率が30%未満:難問(上級:教養ランク) やらなくて良い
自分が間違えた問題の中に、正答率30%以上の問題があるなら、覚える情報に加えましょう。
自分が間違えた問題のうち、「他の受験生ができている問題」を見つけて、自分に必要な情報を絞るのです。
このテクニックは、どんな勉強でも使えます。
「合格まで逆算して」効率よく勉強をしていきましょう。
最後に
今回は、入試・資格試験のヤマの張り方について記事にしました。
- 受かるために必要な「覚えるべき情報」を見つけよう
- 「覚えるべき情報」を見つけるために、教科書+参考書+問題集を見比べて被っている知識を見つけよう
- 過去問を使って、「覚えるべき情報」を見つけよう
- 模試の正答率を見て、「覚えるべき情報」を見つけよう
効率よく、「覚えるべき情報」を見つけて、入試や試験を突破しましょう!
コメント