以前「奨励研究」の応募のポイントを記事にしました。
科研費の奨励研究を応募するにあたっては、大学の先生からいろいろ指導を受けて、書いています。
そこで、大学教授の仕事って何があるんだろう。
科研費については、大学の先生が「これ研究実績になるから!」とすごくプッシュしています。
大学の先生にとって科研費とは何なんでしょうか?
気になって「国立大学教授のお仕事 ―とある部局長のホンネ」(木村幹)を読んでみました。
科研費は、個人の研究を支える助成・・・ではなく、大学の運営資金にもなっているんだとか。
少し様子を覗いてみましょう。
科研費とは?

ざっくりとした話は、ChatGPT君に出してもらいましょう。
科研費(正式には日本学術振興会が運営する「科学研究費助成事業」)は、大学教員にとってかなり重い意味を持つ存在です。単なる研究資金以上のものです。
ざっくり言うと、お金と信用とキャリアの指標がセットになっています。
大学の先生は研究費がないとほとんど何もできません。実験器具やソフトの購入、調査、学会発表や論文投稿、学生や院生の支援など、これらを回すためのメインの資金が科研費です。人文や教育系でも、調査費や出張費として非常に重要です。
科研費は審査付きで採択されるため、採択されるとその研究が価値あるものとして認められたことになります。逆に不採択の場合は、研究の質や計画に課題があると見なされることもあります。そのため、昇進やテニュア審査、他の研究費の応募などで科研費の有無は重要な評価材料になります。
また、科研費を持っていると共同研究に誘われやすくなり、学会での発言力も高まります。学内での評価や予算配分にも良い影響があり、研究者としての立ち位置が一段上がるような感覚があります。
さらに精神的な側面も大きく、採択されると自分の研究に対する自信につながりますが、不採択が続くとモチベーションに影響することもあります。科研費は研究の進行だけでなく、研究者の心理にも大きく関わっています。
大学のタイプによって重みは多少異なり、研究大学では持っていて当然と見られることもありますが、教育系大学や地方大学では強い武器になります。特に若手研究者にとってはキャリアを左右する重要な要素です。
まとめると、科研費は研究を進めるための資金であると同時に、研究者としての評価そのものを示すものです。
テニュア審査という聞きなれない単語が出てきましたね。
テニュアとは、「原則として解雇されない身分保障」です。
大学の先生って、実は最初から終身雇用ではないのです。
大学に任期付きで所属し、実績が認められると、テニュア、つまり、終身雇用が結ばれるのです。
私の知り合いに40代で、ずっと任期付きの先生をやっている方がいます。
生物の研究をしているのですが、研究分野がとても狭いことや、国内でもその生物の研究ができる場所が少なく、なかなかテニュアになれないそうです。
この背景には、大学にお金がないという事情があります。
2004年から、国立大学は国立大学法人になりました。
そこで、国からの補助金はどんどん減って、大学教授を確保しておく枠が激減したそうです。
ただ、授業は回さないといけません。
そこで、期限付きの先生や非常勤の教授を雇って何とかやりくりをしている状況になっているようです。
1990年は、学内紀要でもいいから「論文を6本(つまり、査読もなく、とにかく書いて何かの雑誌に載ればOK)」書けば、テニュアをとれたそうです。
現在は、先ほど言ったように大学教授の枠がすごく少ないです。
テニュアになる審査にも、「海外論文〇本」が最低になっているとか。
論文も査読(論文の審査)を通ったものでなければいけないそうです。
就職するためには厳しい状況があるのが、知識なくてもひしひしと感じますよね。
研究費0の大学教授!? 科研費は、研究+大学の運営費になっている

九州大学の文学部の教授で、個人研究費0という話をみました。
大学の先生は研究も仕事なんだから、個人にある程度研究費が出ると思っていました。
旧帝大の九州大学ですら、個人の研究費が出ないなんてことがあるんだと愕然としました。
参考にした本でも、最初は50万円、大学から個人研究費があったのが、30年たったら10万円になったそうです。
そんなに少なくなるのかと思ってしまいます。
論文を投稿するにもお金がかかります。
研究会などに出て自分の研究も広報していかなければなりません。
教育・研究にこそ税金回さなければいけないんじゃないか!と思っています。(タブレットはいらないと思っています。)
こんな状態だから、大学の先生は科研費を積極的に取りに行き自分の研究をできるようにしていくのです。
科研費は大学のお金
科研費は、結構厳しいるルールの下で運用しなければなりません。
研究業務という「大学の業務のやめに獲得した外部資金」なので、執行においては、外部資金と大学の会計ルールの双方に従わなければなりません。
だから、他の研究の為に流用して使ってはいけないし、研究会後の懇親会には使ってはいけません。(私も、何に使えるか確認しながら予算建てをしています。)
ここからが大事なのですが、研究者が直接使う「直接経費」に加えて、その30%に相当する額が、「間接経費」として大学本部や運営に使われているのです。
つまり、科研費をとってもらえればもらえるほど、大学のお財布は温まるのです。
そんな裏事情もあり、科研費を提出することは、マストになっている大学も多いそうです。
科研費、採択されないと研究費がない。忙しくて科研費出せないとなると、大学の経営を圧迫する。
なんとも大学も大変だなと感じてしまいました。
最後に

大学教授のお仕事については、今まで2冊読みました。
上の本が2020年、下の本が2025年発刊です。
どちらも千葉大学、神戸大学の教授が書かれた本ですが、大学教授は研究だけしているんじゃない!研究は当たり前で、それ以外に、営業、教育と忙しいんだ!ということがひしひしと伝わってきます。
小中学校の先生も忙しいですが、大学教授も裁量労働制なので、どれだけ残業しても、給料が増えないからしんどいですね。
私立になると、学校PRにも駆り出させるので、さらに忙しくて、研究どころじゃないんだとか。
どこも忙しいですが、その中で何をすべきなのか。
そこをしっかり軸をもっていないといけないなと感じるこの頃でした。

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