好きなポッドキャスト番組で「超実践的幸福論」で転職の話が出てきました。
3年前、自分が30を過ぎたタイミングで、自分って教師をこのまま続けていいのかなと考えだしました。
職場の人間関係がうまくいかなくなってしまっていて、疲れていたからです。
職場の人間関係がうまくいかない、子どもの指導もうまくいかないという悪循環にも陥っていました。
どうにかこうにか、それまでは子どもとうまくやっていた(つもり)の自分にとって、大きな挫折でした。
ただ教師を辞めるのではなく、続けるという選択肢を結局は取りました。
あのころを思い出して、どう乗り切ったのか、どう切り替えたのをか、紹介したポッドキャストと絡めながら今日はお話をしたいと思います。
教師の転職は、どうやら甘くはない(っぽい)

教師という仕事につかれたので、とりあえず転職という言葉が頭に浮かびました。
そこで、某大手の転職サイトに登録をして、転職面談を受けました。
教員からの転職ってケースとしてあるのかな?と思ったからです。
結論は、「なくはないけれど、厳しい」と言われました。
例えば、学校のパソコン支援業務をしたくて、教育に関連する会社に転職をしたというケースはあるが、全く畑違いの会社(例えば商社)は例はほとんどないと言われました。
給料も教員よりも下がることが多く、ある特定の分野の仕事をしたいと言うならまだしも、なんとなく転職するのは給料面で大きなデメリットになると言われました。
そもそも何で転職したくなったんだっけ
そこで、「そもそも何で転職したくなったんだっけ?」と足を止めました。
転職を考え始めたのには、色々な理由がありました。
- 残業が多い(部活、普通の業務など)
- 自信がなくなっていた
- 仕事がある程度全体が見えて、他のことに興味が出てしまってきた
- 昇進しても給料のもらえる額は多くはならない。もっと稼げる仕事を選んでみたいとも思った
一つずつお話ししていきます。
残業が多い(部活、普通の業務など)
これは、言わずもがな。
小学校から、中学校に転勤になり、部活動が始まりました。
平日は、5時半まで練習。休日も部活動があり、なかなか家庭のことができない日々が続きました。
そんなとき娘も生まれ、娘の面倒も見たいけれど、仕事が・・・。
という感じでした。
幸いだったのが、部活動の地域移行の話が出てきて、少しずつ部活動が必ずしも学校で担わなくても良くなってきたということ。
ここで、管理職に相談をして、勤務時間内はめいいっぱい仕事(部活も普通の仕事も)をしますが、休み別の先生に練習を見てもらうというふうにしてもらうことができました。
色々相談をして、周りの人に理解を得られたのでら、なんとか続けることができるようになりました。
さらに別の学校に転勤になり、平日の部活動は、業務時間内で終わるように日課が変わりました。
おかげで、今は、仕事を続けられるなという気持ちになっています。
普段の業務も多いですが、家で持ち帰り仕事をしなくてもいいくらいには、素早く仕事ができています。
もちろん定時で上がることができています。
それでいて、中堅者養成研修に行かせてもらったり、教職員評価でもよい評価をもらったり(もっと高く自己評価をつけなさいと言われました)と、職場ではよくしてもらえています。
自分でも色々仕事のやり方を変えていき、学校業務全体も見直し、みんなが楽になるようにしてきました。
残業が多いのを、周囲の理解と、自己改革で乗り切る事ができました。
自信がなくなっていた
これは、別の記事でも書きましたが、1度学級崩壊を経験しました。(詳しくは以下の記事をご覧ください)
静かな学級崩壊でした。
何を話しても生徒は反応をしてくれず、辛い1年でした。
そこで自信を無くしてしまいました。先生やって6年。初めての学級崩壊です。
次の年は、副担任にしてもらい、1年過ごしました。
そして、次の年は転勤して、副担任・・・と思ったら、主担任の先生が、4月始まり2週間で、休職に。
自分が主担任繰り上がって、1年間学級を取り回しました。
ただ、この主担任になった1年間が、子どもととてもいい関係を作ることができ、先生って楽しいんだなと初めて思うことができました。
先生を初めて8年目。自分のやってみたかったこと(生徒会運営や、学級運営)などがどんどんできました。
「コロナでできなかった職場体験を、生徒会企画で冬休みに有志で行いたい」と生徒がいうからバスを借りて、街を回ったり、「冬の大運動会をやろう」と全校集会をやったり。
許可をしてくれた上司に感謝ですが、生徒も、学校ってこんな楽しいことをみんなでやっていいんだ!楽しい!と感じていたようでした。
そこから、「先生ってこんな自由があるんだな。生徒のことを思って、楽しい学校を思って、いろんな企画をしていいんだな」と思えるようになりました。
ちょっと先生としての自信が戻ってきた時が、転職面談を受けたタイミングでした。
仕事がある程度全体が見えて、他のことに興味が出てしまった
さて、仕事が楽しいと思えてきたところでしたが、新しいことをしてみたいとも思うようになったのです。
私の妻は、民間で働いています。教育とは全く違う職種です。
そこで、成績に応じて、給料が上がっていくのが少し眩しく見えました。
また、SNSなどを見ていると、他の仕事の様子も伺えます。
本を書いたり、講演をしたり、Canvaなどに転職した先生もいました。
とても眩しく見えて、自分ももっと輝ける場所があるんじゃないかなと思うようになりました。
だからこそ、転職面談を受けてみました。
給料なども頭打ち。もっと稼げる仕事を選んでみたいとも思った
これも上記と同じ理由です。
もっとお金を稼げるんじゃないかと自分は思いました。
お金を稼げば、もっと楽しくなる。
余裕が出てくる。好きなことができると思ったからです。
だからこそ、稼げる仕事に転職すれば、きっと何か新しい人生が待っている!と思うようになり、転職面接を受けるようになったのです。
全ては幻想、見栄っ張り。自分ができる仕事はなかった

上のように自分は思って、転職に希望を持って面談を受けたのですが、面談の結果は先にも書いた通り、夢がないものでした。
また、よくよく考えてみると、残業が大変だけれど、他の職種に行ったら、1からやり直し。残業がもっと増えてくるのではないか。
仕事がつまらないと言っても、自分が動くと仕事にハリが出てきた。他の仕事に移ると、また1から覚え直しになる。
今、転職して10年後、同じような悩みに陥る可能性も十分ある。
先生から他業種に行って、今の月給よりも高い給料を得られるだけのスキルや人材に自分はなっているのか?
そう考えたところで、「転職をしない!先生を続ける」という選択をとることにしました。
上記でも述べたとおり、結局悩んでいるのは「勤務の仕方」と「仕事へのときめき」に不満があったのです。必ずしも、他の職種に行くことが正解ではないと思いました。
勤務の仕方は、部活動改革が叫ばれる今、部活は縮小傾向になるだろう。
そして、仕事へのときめきも、自分が変わる、自分が仕事や子どもへの見方を変えることで、きっとモチベーションを上げることができるだろうと考えました。
勤務の仕方を変えた
具体的に動き出しました。家庭もあるので、仕事は定時までにしました。
仕事術やパソコンの本をたくさん読んで、今の業務量でも、効率よく仕事を進め早く帰れるにはどうすればいいかを試行錯誤しました。
1年かけて、8時に学校出ていたのが、7時に、6時に。そして基本5時に学校出るまで早くすることができました。
ここで、思ったのは、仕事の知識や経験が増えれば増えるほど、スピードが早くなるということでした。
例えば、指導案。
パソコンの前でうーんと唸っていることはないですか?
悩んでしまったら自分は、他の事務の仕事をやってしまいます。
そして、家に帰って、教育書など、先輩たちの実践を参考にして、指導案の構想を練る。
パソコンの前に座ったら、とにかく打ち込むだけ。
知識が増えて、経験も出てきて、頭の中で書類そのものは完成することができるようになったのです。
考えることは、家事をしてても、寝る前でもすることができます。
逆に、机の前で頭を捻ってもなかなかアイデアが出てきません。
作業と考える時間を分けたことで、学校の滞在時間が少なくなりました。
先生の中で「代えの効かない」存在になろうとした
こちらの記事でも取り上げていますが、やはり「代えの効かない存在」になると、重宝されます。
また、学校で楽しく仕事をするために新しいことを始めようと思いました。
そこで始めたことが、「学会に所属して、論文を書く」「ブログを書く」の 2本でした。
学会に入って
先生で10年キャリアを積んできたんだから、先生として培ったものを活かせて、他の先生にはない「強み」を持つことで、「代えの効かない存在」になろうとしました。
学会に所属したことで、最新の研究結果の情報が耳に届くようになりました。
おかげで、新しい潮流(最近だと個別最適化な学びや、高校の総合的な探究の時間)が来ても、どんなことをすればいいか、何を求められているのか対応できます。
なんなら、先駆的に実践をしていた事例もありました。
おかげで、職員室内でも「スーさん先生にちょっと聞いてみよう」と一目置かれる存在になりました。
まさに、知識、実践は力なりなのです。
また、助成金をもらえるようになりました。
個人としては、今まで4回ほど、助成金を頂いてます。額は少額でしたが、ありがたかったです。
今年の挑戦として、学校を巻き込んで助成金に応募をしようと思っています(ちゅうでん教育助成)
勤務している学校でも、「探究的の時間」というのを設定し、子どもたちが、自分の勉強したいことを探究する時間も作るようになってきました。
そこでは、プログラミングだったり、絵だったり、生き物の飼い方だったり、生徒の興味に応じて追究し続けるという学びを行おうとしています。
それには、生徒の好みに応じた物を用意する必要が出てきます。
そこで、助成金をもらって、学校が盛り上がる「探究の時間」にしようと思っています。
そして、この中で、自分のやりたい研究も合わせ技でやることができたらと考えています。
学校でも太鼓判を押してもらえたので、申請が通るといいなと思っています。
お金を引っ張って来れるというのも、学校では希少な存在ですよね。
お金をもらって、実践をする。実践を積むと、教師としてさらに力が上がってくる。そしてさらに面白い実践をするために助成金をもら。。。こんなスパイラルができればと思っています。
もちろん学会でも、定期的に発表をしています。
学会で論文を出して認められると、「以前からこんな研究をしているよ」と言えるので、さらに女性申請書の説得力が出てきます。
結果、助成が認められやすくなります。
そうやって好循環を作ることができます。
ブログを始めて良かったこと
ブログを始めて、日々の教育実践をまとめたり、読書記録をまとめたりするようになりました。
そうすると、自分の考えを備忘録的にブログに溜まっています。
自分の考えをまとめることができていれば、レポートの提出課題が求められても、ブログで考えてきたことを書けばいいので、作るのに悩むことがありません。(今年は、中堅者リーダー研修を受けるのですが、1回目の宿題は15分で作成完了。管理職の決裁も一発で通りました。)
教育のことを考えて、その記録を残して続けることで、自分をアップデートでき、仕事で役に立つというのを実感しています。
3年前にブログ記事は恥ずかしいものが多かったのですが、400記事ほど書いて、書く力もついてきました。
学校の通信なども、とてもスムーズに書くことができるようになりました。
また学校でも頼られることも増えてきました。
自分の考えをブログでまとめる→学校の随所随所で考えを話す→みんなから認められる
という好循環が生まれてきました。
転職のタイミング

さて、ここまで書いてきましたが、皆さんの転職の理由はなんでしょうか?
もう一度ゆっくり考えてみましょう。
人間関係で悩んでいたら
もし、人間関係がうまくいっていないのでしたら、学校の異動願いを出すことで、変わるかもしれません。
勤務時間で悩んでいたら
もし、勤務時間の面で厳しいところがあるなら、一度管理職と話をしてみましょう。
もちろんそうは言っても、管理職がうまく調整をしてくれない場合もあります(そこが学校のブラック化に拍車をかけていると思うのですが)
それだったら、自分でできる働き方改革をしながら、転職活動をするのもいいと思います。
大事なのは、自分の体、家族です。健康や家族の信頼を損なってまで仕事をすることはないと思います。
ただ、一度客観的にみて、自分の仕事の仕方を変えられるのだったら、変えてみましょう。
私は、管理職との面談、仕事のやり方を変えて定時退勤できるようになりました。
必ず周りに協力が必要になってきます。
職場の仲間と協調しながら折り合いをつけていきましょう。
やりがいで悩んでいたら
仕事の見方を変えてみましょう。
この悩みは、仕事に慣れてきて、やりがいを考える余裕が出てきたとも言えます。
教師という仕事で、新しい発見がないか、さらに自分が伸ばせるところはないか。他の先生がやっていないことはないかと挑戦をしていくことで、新しいやりがいが見えてくるはずです。
ただ、つまらないとなっている時は要注意です。
他の仕事についても、「やりがい」を見つけられないかもしれません。
一度立ち止まって、やりがいがなくなった原因を考えてみましょう。
自分は、慣れと、長い勤務時間が原因でした。
仕事の見方、仕事の仕方を変えることで、新しくやりがいを見つけることができるようになりました。
最後に

冒頭で紹介したポッドキャストでは、「転職は必ずしもおすすめをしていない。ケースバイケースだから」ということを言っています。
転職が当たり前の世の中になったからこそ、「一つの仕事をやり続ける。その仕事に発展性を持たせるような仕事ぶりをする」ということも大切なのかなと考えています。
教師を辞めて学習塾を起業した仲間もいます。
これも教えるという仕事をやり続けているケースです。
せっかく今まで仕事を頑張ってきたのです。
自分の強みは何か、何を大切にしたいのか、そこをよく考えて、教師よ辞めどきを考えるのが大切なのではないかなと思います。
皆さんはどうでしょうか?ぜひコメントで教えてくださいね。

紹介したPodcast「超実践的幸福論」は、他の記事でも参考にしています。番組が刺さったという方は。こちらの記事も一緒にご覧ください!
自分が意識している仕事術については、こちらもぜひご覧ください!
コメント