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【タイムマネジメント 仕事術】タイムマネジメントをしようとするものは、一切の望みを捨てよ‐「限りある時間の使い方」(オリバー・バークマン)を読んで‐

自己成長・キャリア・ライフプラン

今日は、少し前にベストセラーになった、「限りある時間の使い方」(オリバー・バークマン)を読みました。

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ベストセラーになったのだから、タイムマネジメントについて、さぞ有用な事が書いてあるだろうと思って、ワクワクして読んだところ・・・全く書いてありませんでした。

この本は、タイムマネジメントの本ではなく、生き方に関する本でした。

今日は、この本を種に「生き方」について考え直してみようと思います。

タイムマネジメントという考えをなくせ。

『時間を支配するものが、人生を支配する。』タイムマネジメントの第1人者、ブライアン・トレーシーの著書である。

私達の中で、どこか、時間というのは上手に管理できると思っていないだろうか?

頑張って働いた結果、余裕ある時間が出てくる。業務を効率化した結果、仕事に余裕が出てくる。

そんな幻想を抱いていないだろうか?

でも、考えてほしい。

現在、DXの名のもとに、様々なところで、業務の効率化が叫ばれている。

DXによって業務が効率化され、かける時間が少なくなった仕事が確かにあるだろう。

ただ、仕事にかける時間が少なくなった結果、早く帰れるようになっただろうか?

残業時間は減っただろうか?

きっと、他の業務にかける時間が増えて、または、そもそも別の仕事が回ってきて、早く帰れるなんてことはないのではなかろうか?

金銭的にも社会的にも大成功した孫正義などを代表する起業家を見てほしい。

彼らは、もう余生を遊んで暮らすことができるほどの金を得ているのに、のんびり過ごしているだろうか?

否である。

結局は、時間をうまく使って、余裕のある生活を送ろう、そんなことは幻想なのである。

時間という概念ができたのはいつ?

そもそも、時間という概念が誕生したのは、産業革命以後である。

それまでは、封建制の名の下、一部の上流階級以外は、重い税金を取られ小作農として今よりも貧しい生活を送っていた。

でも、その当時の司祭の日記を見ると「農民は朝起きて、ぼーっとしている。ただ、御飯の時間だけはきっちり食べ、またぼーっとする。」と農民に対して怒っている記述が残っている。

「太陽が登ったら起き、日が沈んだら眠る。」貧しく、不便なところもあるが、当時の農民は、現代人よりも牧歌的であったと言えるだろう。

働き、余暇を過ごすという考えが出たのは、産業革命以後である。

工場で所定の時間を働き、それ以外の時間を余暇として過ごす。(それでも12時間労働をしていたというのだから、今のブラック企業よりもブラックである)

そうやって、時間で生活をするという文化が出てきた。

勤務時間の中でいかに生産性を上げるか、つまり「効率化」という観念が出てきたのである。

けれど、効率化にも限度がある。

効率化しよう、時間をコントロールしようとするのにできない。

その乖離が、我々が時間に苦しめられるのである。

そこで、我々ができることは一つ。

「時間は思い通りにならない」ということを受け入れることである。

「時間は思い通りにならない」という考えは日本人にはもともと備わっている

「時間は思い通りにならない」ということを受け入れることが大切。これが、今回紹介している本の主たる主張である。

イギリス人が出版して、世界各地でベストセラーになったのだが、私は実はあまり目新しい考えだとは思わなかった。

そもそも仏教の言葉で「一切皆苦」という言葉がある。「無常」という言葉も聞いたことあるだろう。

無常は、中学校の国語でも出てくる「祇園精舎」の単元で絶対出てくる。

「諸行無常の響きあり」と聞けば、みんな知っているだろう。

この二つの言いたいことは、「人生は、苦しい。まずはそのことを受け入れよう」ということだと理解している。(本職の人、違っていたらごめんなさい)

そのうえで、「この苦しい人生をどのように渡っていくかを冷静に見つめ直そう」ということである。

効率化を進めることで、余裕のある人生が生まれるかもしれない。

この「かも」がやっかいである。人間はその不確実性に向かって頑張ってしまうのである。

でも、そんなときは絶対に訪れない。

「かも」という期待のなかで結局は苦しむのである。

「時間を管理できる」そんな幻想は捨てよう。

「時間は管理できない」そう認めたうえで、我々はどうするべきか考えるのが大切なのである。

時間は管理できないことを認めるのが、西洋人とって目新しいわけ

この考えが西洋文化で目新しいのかというと、西洋では「自然を支配しよう」という考えのもと、科学が発展してきた。

キリスト教における“神“を理解していくうえで、被造物である自然などを理解しようとする営みとも言える。

なんにしても、自然や人間は神が作ったものであり、神を理解するための観察対象である。

洞察を深めれば、(神のように)自然も時間も管理できるという考えが西洋文明には根底になるのである。

対して東洋哲学ではその立場に立たなかった。

自然は人間の理解を超えるもので、管理できるものではない。

なんとかして自然と共存していこうという考えが出てきて、その結果「一切皆苦」と諦念にも似た観念が出てきたのである。

日本も明治の近代化以降、この考えを忘れてしまっていた。

イギリス人が出した本が、日本でベストセラーになったのは皮肉であるが、我々は一度、「時間は思い通りにならない」ということを認め直さなければならない。

「時間は思い通りにならない」なかでどうするか

私もここ数年、楽しいことはないかと常に考えてしまっていた。

子どもと一緒に休日を過ごすときも、日々の業務も、ルーティン化してしまい、新鮮味がなかった。

ただ、仕事はたくさんある。子育ても業務も膨大だった。

何にかできるのではないかと思うのが間違いなのだ。

どうしてもやらなければならないことはある。

そこは、きっちり行う。そして、本当にやりたいことを見つける。

僕だったら、ブログを書くことだったり、研究をしたりすること。

それは、余暇時間を使って、コツコツ進めていく。

毎日続ける。それがどこかで大きな成果になってくる。

結果が出ないのは当たり前。出たら儲けもんなのだ。何せ本業は持っている。本業をきっちりこなしていれば、とりあえず食いっぱぐれることはないのだから。

そうやって、限りある時間を使って人生を楽しむことが大事である。

この本も以前話題になった。要は「やることが多すぎるから、シンプルに、やりたいことをやりなさい」と言う趣旨の本だ。

ただ、「やりたいことをやりなさい」の前に、「やらずにいられることを見極め、徹底してやらないでいなさい。」と言うことも暗に示されていた。

現状を見て、やらないことを決めることで、限られられた時間を有効活用できると言うことなのだ。

そう、「やらないことを決めよう」「やるべきことはやろう」。

時間の使い方を決めるのに大切なことはこの二つだけである。

ワークライフバランスではない、エッセンシャル(不可欠・重要)を決めること(最後に にかえて)

何度も繰り返すが、この本には膨大な仕事を効率よくこなすテクニックというものは全然書かれていなかった。

大事なのは、膨大な仕事の前で、私たちはどういうマインドセットでいればいいのかという精神論的な部分がほとんどだった。

人間は、多くのことはできない。そこを受け入れることで初めて、「自分は今、何をすべきなのか」を冷静に考え、取捨選択できるようになるからだ。

教員の仕事も膨大である。

そして、日々流動的で、同じことはない。

その中で、「何が今、大切なのか。」「子どもにとって、何が必要なのか」そういった目で見ていき、手をかけていくことで、成長につながるのである。

表層的なことではない、本質的なことに、目を向けられるようにしていきたい。

er me si va ne la città dolente,
per me si va ne l’etterno dolore,
per me si va tra la perduta gente.

Giustizia mosse il mio alto fattore;
fecemi la divina podestate,
la somma sapïenza e ‘l primo amore.

Dinanzi a me non fuor cose create
se non etterne, e io etterno duro.
Lasciate ogne speranza, voi ch’intrate.

我を過ぐれば憂ひの都あり、
我を過ぐれば永遠の苦患あり、
我を過ぐれば滅亡の民あり

義は尊きわが造り主を動かし、
聖なる威力、比類なき智慧、
第一の愛、我を造れり

永遠の物のほか物として我よりさきに
造られしはなし、しかしてわれ永遠に立つ、
汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ

-ダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』地獄篇第3歌 より

スーさん
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例えば、仕事を見極めようという提案で、こんな記事を書いています。合わせてご覧ください。

Todoを作ることも、何をすべきか明確にする→やらないことを決めることにつながっていると思っています。こちらもぜひ合わせてご覧ください。

参考文献・参考HP

参考文献

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参考HP

一切皆苦 - Wikipedia
無常 - Wikipedia
地獄の門 - Wikipedia

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