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【学級経営 宿題 日記】中学校ではなぜ宿題で日記を書くの?おすすめの日記の書かせ方

学級経営・生徒指導

自分が中学校時代、必ず宿題で日記が出ました。三行くらいのものです。

教師になって、住んでいた自治体とは別の自治体に移っても中学校では毎日日記を出している学校ばかりです。

なぜここまで日記を重要視するんでしょうか?

生徒目線・先生目線から日記を書くことのメリットについて考えてみましょう。

日記を書くことの効果(生徒)

1日を振り返る。それは自分と向き合うこと。

ほとんどの人は普段自分の書きたいことを自発的に書きません。

そんなことはないと思うかもしれませんが、授業だって自発的に文章を書いていないはずです。

先生の質問に対して、その答えを書いているのではないでしょうか?

これは、自分の書きたいことを書いているわけではないはずです。

友達へのLINEは話し言葉の延長なので、到底文章とは言えないものです。

だから、自分と向き合い、それを短い文章にする活動をするだけで多くの気づきを得ることができます。

「3行ポジティブ日記」

今日あった楽しかったことを1つにつき一行、3つだけ、ノートに書いていきます。

これを「3行ポジティブ日記」といいます。

箇条書きで書いていけばいいので、3〜5分あれば書くことができますね。

このことを続けていくと、ポジティブなことが日記に溜まっていき、ネガティブな思考を追い出す練習になります。

ちょっと嫌なことがあっても、総じて1日楽しかったな、いいことがあったなという気持ちで終えることができるのです。

いい気持ちで寝ることもできるので、睡眠の質も向上し、次の日への活力にもなります。

このように、ポジティブなスパイラルで毎日を繰り返すことができ、心が安定します。

心が安定すると、毎日が楽しくなり、さらに成長できる好循環になるのです。

慣れてきたら、1つの楽しかった出来事につき、二行以上詳しく書くようにしてみましょう。

3つ書くのを、4つ、5つと増やしていってもいいです。

「楽しいこと」を思い出しながら日記を書いて、アウトプット力も高まってきます。

武井壮さんの洞察はすごい

ところで、こんな話があります。

芸人の武井壮さんは、実は大学時代は、陸上の10種競技の学生チャンピオンでした。

そんな武井壮さんは学生時代、好調の波と不調の波を把握するために毎日やっていたことを知っていますか?

その中でこんな話があります。

試合では全部自己ベスト出したいわけじゃん。なのに”練習では自己ベスト出そうとしている時間がすごく少ない”のよ。俺はそれが嫌で毎日自己ベスト出すために毎日自分のデータ調べていたの。

偶然調子が悪い日をゼロにしようと思って、部屋の中と外に気温計と湿度計を置いて、気温が何度で、湿度が何度で、体温を脇と肘と膝と足の指の間と、挟めるところ全部測って記録しとくわけ。

その時に、50メートル計っていたんだけど、自己ベストに対して何%の記録が出たかっていうのを出しとくわけ。それを6年間やっていたの、ずっと。自分が着ている服の素材も全部書き込んで、どんな服着ていたら体調が良いって感じるのとか、練習で疲れた体力を1秒でも早く回復できる方法を毎日調べていたし。

でもそれを6年もやっていると、どんなふうにしたら調子が良くなるかわかってくる。俺は陸上やっている日は調子悪い日が一日もなかった。毎日自己ベストが出せる状態だったから、やめたいって思ったことは一回もなかったな。そんな感じだね。

ちょっと難しい話だったね。でもそんなふうに陸上やっていたのよ、俺。

ー武井壮のインタビューより

武井壮さんは自分を知るためのここまで「自分の体調」を記録に残して研究をしていたわけです。

日記をつけることで得られる、自己洞察の力ってすごいでしょ?

日記を宿題として出すことの効果(先生)

中学校に入ると教科担任制が始まり、子どもと先生が一緒にいる時間がグッと減ります。

また、思春期に入り、子ども達は「疾風怒濤の時代」に入るわけです。

つまり、体や心が急速に成長する中で子ども達は精神的に不安定になりやすい時期に入るのです。

子どもの小さな変化を逃さないようにすることは教師として大切なことです。

そのアンテナを高くする手段として、日記が学校現場ではよく使われてきたと私は考えます。

実際に、面と向かって相談しにくいことを書いてきたり、「いついつ、少し時間をとって話せませんか?」と書いてきた生徒もいました。

そうすることで、生徒の悩みを掬い上げることもできたのです。

今現在、私が生徒に指導をしていることは、「ポジティブ日記を書こう、何か困ったことがあったら日記に書いてきてもいいよ」と生徒に「ポジティブ三行日記」をお勧めしています。

中学生なので手を抜く子は「今日の給食は美味しかった。」で済ませてきます。

もちろんそれでも、今困っていることはないんだなとわかるのですが、せっかく宿題としてやってくるからには、生徒がプラスに感じられる宿題にしたいですね。

だからこそ、「ポジティブ三行日記」を書くことの効果も伝えて、「楽しいことの貯金」を日記帳に溜めていこうと伝えます。

また、日記の内容がいつもと変わったときは要注意。

今までよく出てくる友達の名前が出てこなかったり、ポジティブなことが3つから2つに減ったりした場合です。

もしかしたら友達関係の変化があったり、何か辛いことがあるのかもしれません。

そんな時は、生徒に声をかけたり、周りの先生に変わった様子がなかったかを聞いてみます。

そんなふうに、子どもの様子を掴む一つの手段になるのが日記です。

ただ、朱書きを毎日するのも一苦労。

こちらの記事で朱書きに対する考え方もまとめてあります。合わせてご覧下さい。

朝の会・帰りの会で伝える

内容によっては、朝の会や帰りの会で、クラス全体に日記の内容を話すのもいい取り組みです。

ポジティブなことを伝えていくことで、クラス全体の自己肯定感が高まります。

クラスの生徒が見つけたポジティブというのは、友達を認めるきっかけになります。

生徒の言葉でいいところを伝えることになるので、クラスの人間関係が明るくなって聞きます。

まとめ

今回は、中学校でよく宿題として生徒に課す日記について、改めて考え直してみました。

  • 「3行ポジティブ日記」を書こう
  • 朱書きを入れる先生は、内容の変化に注目することで、生徒の心の変化が読み取ることができる

楽しく、盛り上がる「3行ポジティブ日記」で、人間関係のいいクラスを作っていきたいですね。

スーさん
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